一昨日ぶち久しぶりに雨が降りました。
その後には大きくて綺麗な虹ができました。
糟谷茂男の弟、篤二の昔の話第23話を載せます。
盆
1、盆提灯
盆が来ると色がみを買ってきて厚紙で菱形の盆提灯をつくった。側は面長で火口と底が四角だった。梯型の厚紙を八枚同じように切って、その一つ一つの中を切り抜いて取ったり又は富士山の繪や花の繪の型に切り抜いてそこへ赤や青や黄のいろ紙を貼りつけた。梯形と梯形とは椿半紙を貼って提灯の様に開いたりちぢめたりすることが出来た。全く一つの提灯だった。
昼間喧嘩腰で作って軒に吊った。そうして夜になるのを待って五厘ろーそくを立てて灯を入れた。まっくらい軒先に菱形の提灯は原色をうきたててともった。その一色に澄んだいろ紙がかなしいまでに沈んでみえてそこはかとない盆の情緒を、かきたてた。軒の板に提灯の青や赤の色が反射して、ほっ とうつっていることもあった。又遠くからその色提灯をみてとほるのもよかった。
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