蔵木のひがん花。
真っ赤な絨毯。
もうすでに見ごろです。
9月24日にひがん花祭りがあるそうです。
糟谷茂男の弟、篤二の昔の話第30話を載せます。
角力
秋になると峠の地蔵様やお宮の境内で子供角力があった。学校がすむと鞄をなげ出して見にいった。はしこい兄は角力はとくいで何時も三番抜や六番抜で勝った。家では荒びて兄にむしゃぶりつく僕も人の前へ出るとすっかり駄目であった。天下泰平と書いた行司の扇がさっとあがって「ハッケヨイ」と本式の声があがると僕は顔が赤くなるような気がした。 稲が刈られはじめ畦のほとりの大豆の枝が枯れかけていた。その大豆の枝をとってむかでを編みつつ角力のあるお宮へいったこともあった。兄は暗くなるころ迄角力をとって四隅の柱高く揚げてある大きな弊を貰ひ景品に箱入りのランニングシャツやノートを貰った。僕は弘法様の接待のとき一度友達と角力をとったが同級生の痩せぎすの斉藤君に何回かかっていっても背折りをくって負かされた。それ以来僕は絶対角力をとろうとしなかった。
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